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自己肯定感の罠 後編

14日に「自己肯定感」を高めることについて、下記の3つの問題点を指摘しました。

1.なぜ自己肯定感が低いか理由にまで目が向いていないこと
2.自己肯定感を高めることに欠点はないのか
3.誰のために自己肯定感を高めるのかということ

前回も述べたように、自己肯定感の低い人が自己肯定感を高めることで、ある一定の効果があることは間違いないのですが、自己肯定感が高められたとしても、しばらくするとまた元の状態に戻ってしまうことがほとんどです。カウンセリングという手法によって、自己肯定感が高められた時には少しずつ最悪の状態から抜け出して、改善に向かっていくことも少なくありません。それは、カウンセリングというものが、本来生育歴から説き起こして、なぜ自己肯定感が低い状態に置かれてしまっているかの本質に迫れる可能性を持っているからです。
問題は、自己啓発やコーチングのような手法で自己肯定感を高めた場合、問題の本質に迫ることができず、対処療法的に自己肯定感を高めようとしてしまう可能性もあります。自己啓発やコーチングが目先ばかりのことにとらわれて、本質を見ないというわけではないことは充分に分かっていますが、受ける側がそのようなアプローチを好まないという欠点があります。
日本では、未だに精神論や根性論に頼ってしまう文化があり、すぐれた研修を行っているところはいいのですが、形だけの研修を行っているところも多く、そのほとんどが最終的に行き着くところが精神論、根性論だったりするわけです。高校のさまざまな競技の強豪校で監督やコーチの暴力がなくならないのもそんなところにあるのでしょう。
自己啓発やコーチングといった手法だけに頼るのでなく、カウンセリングを併用しないと効果がないどころか、下手をすると逆効果になりかねません。
「自己肯定感を高めることに欠点はないのか」ということも問題です。ともすると「自己を肯定すること」=「他者を否定すること」になってしまいます。「自己肯定感が高まれば、他者を否定することなくありのままの自分を受け入れられるので、違いを超えて他者を認められる」との解説をよく見かけますが、私から見ると詭弁に思えてなりません。おそらく、自己肯定感を高めるということの目標はその通りなのかもしれませんが、さまざまな人を見てくると、自己肯定感を高める研修を受けた人の中には、自分勝手で傲慢な人、自己の主張ばかりして人の話を聴かない、認めない、という人が多くいます。本来持っているはずの人の優しさが失われていってしまっていると感じてしまうのは私だけでしょうか?
カウンセリングを行っていると「誰のために自己肯定感を高めるのか」ということも、常に意識しなくてはならないことの1つです。
訪れるクライアントさんの中には、「自己肯定感が低いことによって社内の競争に勝てない」「自己肯定感を高めて自分に自信を持ち社内で活躍したい」という方も多くいらっしゃいます。受験生でも同じで、メンタルトレーニングで自己肯定感を高め、受験に勝とうとする場合、目先の結果にとらわれて、そこを通過した途端に潰れてしまう、などということが起こったりもします。社内の競争や受験などは結果がすべてなので、目先の結果で満足する人もいるとは思いますが、その後の人生が最悪のものになってしまったのでは、もともこもありあせん。
「自己肯定感を高めること」が金科玉条のように扱われる昨今、「あなたの立ち位置はどこなの?」と問いかけたくなります。スポーツ界のように競技人生は短く、目先の結果がすべての世界ならともかく、私達、ごく一般に人間は「自己肯定感を高めること」がすべてではないことを肝に銘じておく必要があるでしょう。
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