Q.
彼は2つ年下で、私が大学4年生の時に知り合い、今年で3年です。
今年の春、彼も卒業したので私から結婚の話をしました。その時は彼も「うん」と言ったんですけど、「生活力もなく若すぎる」と私の両親に反対されてしまいました。両親に反対されると彼も「2年待とうよ」と言い出したんです。私はすぐに結婚したいのに…。
「子どもができた」と言えば両親も結婚を認めるだろうと思ったので、彼に「今日は安全な日だから」と嘘を言って避妊せず、妊娠作戦を決行しました。見事成功したんですけど、両親に話す前に彼に話したら「君の両親を騙すみたいなやり方、僕は嫌だ。堕ろしてよ」と言われてしまいました。私は彼とすぐに結婚したいし、子どもを堕ろすなんて絶対嫌です。
A.
せっかくご相談いただいたのに残念ですが、この恋愛、結婚話はすでに崩壊しています。ただ、あなたのお腹には新しい小さな命が宿っています。必死で立て直しを図ってください。
あなたは大きな過ちを犯していますよね。彼を「騙して」行った妊娠作戦、彼は「君の両親を騙すのは嫌」と言っています。2人が出逢うまでそれぞれ異なる人生を歩んできた別々の人格を持つ人間、どんなに好きになったとしても、どこか異なる部分はあるはずです。そうした違いを超えてお互いの人格を認め合えるかどうかが、男女の関係にとって大事なことです。時には今回のように2人の行く末を左右するような事件も起き、様々な形のトラブルはつきものです。そうした事態が起きたとき、しっかり「話し合い」ができるかどうかは結婚の最も重要な条件です。多くの動物の中でヒトだけが言葉を持ち発展させてきました。そのためヒトは人生の中でやむを得ず相手に「嘘」を付かなければならない場面も出てくるものですが、それは相手を傷つけないための「嘘」であってほしいものです。自分が結婚を急ぐあまり相手や両親を騙す嘘は、2人で歩調を合わせて並んで歩いて行く結婚生活の長い道のりをひとり勝手に進んで彼を置き去りにしてしまうものです。
少し古い資料(内閣府、結婚家族形成に関する意識調査 平成26年)ですが、男性が結婚相手に望むことの第1位が価値観が近いこと、第2位が一緒にいて楽しいこと。女性は第1位に一緒にいて楽しいこと、第3位に価値観が近いことを挙げています。
あなたも、大きな考え違いをしていますが、彼にも問題があります。あなたの両親の反対に「2年待とうよ」とあなたを説得したこと、「君の両親を騙すみたいなやり方は嫌」だからと言って大切な命を「堕ろしてよ」と言ってしまうこと。人間には他の動物の持たない言葉や白目のある目が備わっています。人の目の半分以上は白目ですが、他の動物の目はほぼ黒目でできています。人の目に白目があるのは、目の向きが分かり、相手を見て真実を語っているかどうかが分かるための進化だと言われています。2人の価値観の違いに目を背けず、しっかり目を見て話し合いをしてください。妊娠作戦の「失敗」をきっちり謝罪し、小さな命を守るため彼と向き合って問題解決に取り組んでこそ良いパートナーになれることでしょう。
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